流れていくものの小箱

いずれは詩の小箱に

「無題」 修正予定

「無題」 私はここの海をよく知らない。 見ていたのはいつも、その周縁だったから。 太鼓の音とシュプレヒコール、三線と踊り。 走り抜けていく車が時々鳴らすクラクションと、それに呼応する人々の、ほどけた声。 道を隔てた向こうに、座り込む群衆、そして…

「日常からの投石」

「日常からの投石」 「そんなつもりじゃなかった。ごめん。」 閉じた手を開いて見たときにこぼれた言葉 さっきまで私の手をあちこちと、いそがしく巡っていた小さな蟻は、今はひっそり動かない あそこの水で流そう それはわたしの手の中をくるくる回って、青…